STORY
第一章:劫火
西暦二〇〇六年、灰色の海運都市。主人公・星守明桜は海添彩希と偶然出会い、親睦を深める。 ある日、彩希は自らの運命――人類の敵《簒奪者》と戦う機体の贄として魂を捧げるため姿を消す。 明桜は機体の乗り手に選ばれ、見つけた彩希の運命を奪い取り《星辰機・ヴァリシア・冥王》を顕現させる。
「初めて目にした私の守るべき世界」/「全部これから知りに行くんです」
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『忘星のヴァリシア』とは、「意志が『運命』を薙ぎはらう」物語だ。 少年少女の「想い」はいつの世も無敵だ。 宇宙において「想い」の出力には道具が要る。その道具こそが「巨大ロボット」だ。故に本作は「無敵のロボットアニメ」である。 二人の願いは「愛する者と一緒に居ること」――痛みと傷を抱えた少女たちが、ありふれた願いを力強く叫ぶ様を描く。
「真の個人制作」によるロボットアニメ2023年夏『第一章:劫火』は、作画枚数1万枚以上を監督1名で手掛けた自主制作映画として単館上映。 同時に行われた第二章制作クラウドファンディングは国内外の反響を呼んだ。 『第二章:群青』公開に合わせて第一章を全編修正、「個人制作」として類例を見ない長尺の劇場アニメ作品として生まれ変わる。
西暦二〇〇六年、灰色の海運都市。主人公・星守明桜は海添彩希と偶然出会い、親睦を深める。 ある日、彩希は自らの運命――人類の敵《簒奪者》と戦う機体の贄として魂を捧げるため姿を消す。 明桜は機体の乗り手に選ばれ、見つけた彩希の運命を奪い取り《星辰機・ヴァリシア・冥王》を顕現させる。
「初めて目にした私の守るべき世界」/「全部これから知りに行くんです」
人類最後の砦《天紋部》の基地で、明桜は世界の宿命を知る。 翳る《生命の火》を狙う《簒奪者》は残り二体、戦いには二人の機体が必要。 第二の敵との戦い、「幸せな時間の呪縛」の中で、幸福な今か、魂を捧げる未来か――明桜は選択を迫られる。
「大好きを全部抱えたまま、私が最初にいなくなればいい」
藍門町
県の北東部、瀬戸内海と太平洋を結ぶ海運都市。全長2km超の大橋に隔てられた北側の島は造船工場が存在し、その従業員が主に居住している。南側は輸送拠点かつ県内の中心都市として栄えている。北側には小中学校があるが高校は橋を隔てた南側にしかない。明桜と彩希は北側出身。鳴住町
藍門町より少し南西にある県内有数のベッドタウン。目立った名所はないが生活に必要な施設が満遍なく揃い現在発展中。空と仄香はここの出身。天紋部
対簒奪者対策機関。生命の火の観測、星辰機の開発管理を行う特務機関。世界の裏側を知覚できる子どもたち(巫子)とその活動を資金・政治的にサポートする大人たちからなる。
西暦653年に星辰機を管理する官位として制定された『紋』と西暦703年に星辰機に搭乗する者を育てる機関として設立された『天』が1853年に統合され現在の形となった。
世界の裏側
本宇宙の物理世界の裏側に存在する空間。観測者の観測と意思によって発生する現象が確定する。生命の火はここにある。
巫子隊
『世界の裏側』の存在を知覚できるよう教育された子どもたちからなる組織。平時は生命の火の状態を観測。簒奪者との戦闘の際は乗り手と星辰機を観測、存在を繋ぎ止める役割を果たす。『岩戸』を用いて裏側に物質を転送するなど星辰機のサポートを行う。
岩戸
西暦1293年に初めて完成した観測遮断式物質変換転送装置。内部に閉じ込めた物質を物理宇宙である我々の宇宙から観測を遮断、量子的揺らぎの状態を生じさせ巫子隊の観測によって存在を世界の裏側に同期させる。岩戸同士で物質をやりとりすることもできる。
神降月
簒奪者が訪れる年の6月と9月。
神成月
簒奪者が訪れる年の12月。
神の遺骸
1978年に愛媛県の廃神社の本尊から発見された第一の星辰機『デスタニア・マーキュリー/灰の巨人』のコアの一部を削ったもの。それを『食べた』と認識することで世界の裏側や生命の火の認知、接続をより強固なものとする。
食感はゼリーとプラスチックの中間。味は灰のようだった(彩希談)
生命の火
西暦0年、ノーンによって人類に開示された世界の裏側に存在する『生命すべての源』とされる火。約100年周期で力を弱め、その際に襲来する簒奪者を星辰機によって打倒する戦いが続いている。
星渡りの梁
『生命の火』を囲うように存在する半透明の青い結晶が幾重にも重なって層になっている。組成は不明。
幣殿
星辰機が戦闘する巨大な空間。語源は神社で拝殿と本殿との中間にある、神様に供え物をささげたり、神楽などを奉納したりする社殿。拝殿を物理世界、本殿を生命の火になぞらえている。
簒奪者
神降月と神成月に計3度、生命の火を奪いにやってくるとされる敵。
星辰機
西暦0年、ノーンが人類に与えた簒奪者に対抗するための8体の巨人。機体コアには空の魂が存在し、それに乗り手の魂を写し取ることで起動する。
和名では8機それぞれの固有名があるが現在は惑星の名になぞらえてマーキュリー~ネプチューンと呼称している。1905年の神成月に最後の星辰機であったネプチューンをロストしている。
命名規則は『星辰機・デスタニア・○○(対応する惑星の名前)』
精神燃料
1905年に最後の星辰機を喪失し、次の戦いに備え人類の手だけで星辰機を建造する必要が生じた。その際「文献をもとに限界までオリジナルの星辰機を模倣する」ことを志向したが、空の魂の製造は不可能だった。その代替案として純粋な魂をコアに定着させ、その魂と深い結びつきのある魂の持ち主を乗り手とすることと決めた。
精神燃料として星辰機開発責任者の娘であった海添彩希が選ばれ、そのために育てられてきた。
魂魄戎具
星辰機の魂が力の形をとった固有の武装。各代の星辰機によって特性は大きく異なる。













5/30(金)~6/12(木)
【アンコール上映】
6/27~7/17(木)
好きを恥じず、まっすぐに作り切ること。それが、見てくれる誰かに届くこと。原初のエンタメのごろりとした尊さが、《ヴァリシア》にはありました。一作ごとに磨かれてゆく青春の原石の、最終章を楽しみにしています。
長谷敏司(小説家)〝世界を救う〟のはティーンだけに許される特権、傲慢、抑圧、枷。 大切なものが損なわれた明桜と、予め損なわれた存在として生まれついた彩希――そんな二人の手が最後に掴むのは互いの手か、操縦桿か、あるいはまた別の何かか。 『忘星のヴァリシア』が描くどこか懐かしく、そして永遠に失われた帰らざる夏に目が離せない。
南木義隆(小説家)長編アニメーション――――それも「ロボットもの」――――をたったひとりで描き切るという、いっけんすると無謀とも思える挑戦に身を投じ、そして、あきらめることなくそれを達成した比良坂監督の創造力に心から敬意を表します。
田中大裕(アニメーション研究者/新千歳空港国際アニメーション映画祭プログラムアドバイザー)皆さん、ロボットは好きですか? 人類の道具の発展、その究極たるロボットを私は愛しています。 皆さん、百合は好きですか? 少女たちの意思と行動によって物語が駆動する百合を私は愛しています。 だから私は、無敵の百合ロボットアニメを作りました。
比良坂新(監督)自主制作応募で出会った『Vapor Trail』は声優に参加してもらい是が非でも上映したいと思った。 『忘星のヴァリシア 第一章:劫火』そして『第二章:群青』へ進むにつれ洗練され、揺らぐこと無い世界観に監督の熱情が注がれる「最終章:最果」は私たちにどんな景色を魅せてくれるだろうか。
大須シネマ副支配人 杉山 薫(劇場)やりたいことを詰め込んだ第一章、そして画が豊かになった第二章を続けて観て、キャラクター・メカや世界観など、この作品の虜になる人たちは確実に存在するだろう。
下北沢トリウッド(劇場)自主制作から始まった出版社が、自主的に製作を担い、自ら配給を行う。 私は贅沢にもその〝最初から最後まで〟を見届けたいのだと、三年越しに、あるいは十何年かを経て夢見ています。 それに出版社なら、自主制作上がりなら、先人に倣うならば『アニメ映画』は次に進むとき必ず通る道です。
零合舎(配給)